えﾂまさか。賃貸中の部屋に貸主が勝手に入ってくる？

賃貸中に借主に無断で貸主が部屋に入ってよいの？

普通に考えれば、あり得ない事です。

知らないうちに、借りている部屋に知らない人が入る。
それが、たとえ貸主であったとしても
入られた側は、とても怖い思いをするでしょう。
泥棒や痴漢に入られたのと同じ、
と思うかもしれません。

無断入室は、あってはならない事です。

ただ、この無断入室も場合によっては認められる事があります。

それは、借主が不在時に
「火災による延焼を防止する必要がある場合或いは緊急の必要がある場合」
このような時には、承諾を得ず入室できる。
と契約書の条文にも記載してある筈です。

でも、これは本当に緊急の場合のみです。

もし、部屋や設備に不具合があって入居者から修繕を依頼されたとしても、
立会の日時を決めたり、入室して良い日時の承諾を得ます。

たとえば、どうしても借主が多忙で修繕はしてほしいけれど、
都合がつけられない。
そんな時は、管理会社の立ち合いの元に
修繕業者が入室する。
という事も、もちろんあります。

でも、基本的に借りている方に無断で入室する。
という事は、もちろん認められるものではありません。

以前、入居者から部屋で寝ていたら
大家が勝手に入ってきて、部屋を修理していた。
そんな、あり得ない話を聞いた事があります。

こんな事があったら、それこそ警察沙汰になります。

ここまで、ひどくなくても、解約予定の部屋に
まだ、明渡し前なのに、留守中に大家が勝手に入室していた。

そんな話も聞いた事があります。

いくら解約するつもりでも、家賃は払っています。
明渡前までは、借主に権利があります。
もし、入室したいのであれば借主に承諾を得なくてはいけません。

たとえば、家賃を払っていないような借主であっても、
勝手に入室することは認められていません。

この物件は自分が所有しているのだから、
そこに入って何が悪い。
と考える貸主が、残念ながらまだ存在しているのです。
これは、正直驚きです。

お金を払って貸しているのですから、
自分の所有している物であっても
勝手に入室したり、勝手に設備をいじる事は
決して許されません。

もし、貸主が建物に修繕の必要がある。
と判断した時は、借主に対してそれを連絡し
入室の許可を得ることになります。

その場合は、逆に借主側は貸主の申出を断る事はできません。
それは、貸主が建物を維持、保全する為に必要だからです。

排水管を直す必要があるので、
都合の良い日時をご連絡下さい。

と貸主から通知があったのに、無視したり
「しなくていいです」と借主が返答する。
という事は、認められません。
貸主に協力する義務があるからです。

でも、連絡もなく借りている部屋に勝手に入る。
こんな事は決して認められないのです。

殆どの貸主さんは、こんな非常識な事はしません。
でも、まだ非常識な事をする貸主さんがいるのです。
もし、そんな事があったら
公的なところに伝えてみるのも良いかもしれませんね。