退去時の現状回復費用は誰が負担するのか
普通退去時には、立ち合いが行われ室内を確認します。
これが、同じ物件であっても、住んでいた方によって
驚くほど違うのです。
ネットで、よく話題になる原状回復費用。
誰が持つの?という質問に対して様々な回答が見られます。
借主は入居中室内をきちんと維持管理する義務があります。
契約時にも、必ず説明される条文では
【善管注意義務】
という言葉があります。
善良な管理者の注意をもって物件を使用する義務がある。
というものです。
もちろん、家賃を払って物件を借りるのですから
貸主側は入居者がちゃんと住めるようにする義務があります。
借主側も、普通に掃除をしたり換気をしたり
必要以上に室内が傷まないよう、また壊したりしないようにする義務があります。
この普通の清掃・換気。
これが全く行われていなかった。
その為に室内が通常以上に傷んだり、カビが発生してしまった。
この場合は、借主側の責任が問われます。
床がクッションフロアで、家具を置いていたら
家具の跡がついた。
逆にこのような場合は、借主の責任を問われない事が殆どです。
カビの原因にもなる室内の換気・清掃に気をつけたい
このカビなどについても、湿気のある場所では
ある程度発生するのが避けられない事もあります。
でも、放置しておいた為にひどくなってしまった。
という場合が問題となるのです。
以前、ファミリーが数年住んでいたお部屋の立ち合いに行き
驚いた事があります。
小さなお子さんもいるご家庭です。
良くある2DKのタイプでした。
室内に入ったら、6帖のDKの壁が腰の高さ位まで
真っ黒だったのです。汚れているのではなく、
一面が墨のようなブラックになっていたのです。
キッチンセットのある場所以外3方向の壁全てです。
もともと、白いクロスが貼られているのですが
半分くらいが黒い!
まず、「何で?どうしたのだろうか」
と思ってしまったほどです。
落ち着いて確認してみたところ、
その黒の正体はカビだったのです。
ひどいカビで室内を傷めれば借主の責任になります
正直、結構汚いお部屋も見た事は何度もあります。
でも、この黒くなった壁には驚きました。
掃除をしないお宅も、家具の裏側がカビだらけのお部屋も
見る事はあります。
でも、部屋の壁下半分が真っ黒。
というのは、なかなかでした。
ましてや、小さなお子さんが二人もいます。
これだけのカビは身体によい筈がありません。
DKで浴室や、洗面も隣にあります。
もちろん、湿気は大変多い場所の筈。
せめて、窓を開ける。
カビが生えてきたらふき取る、カビ取り剤を塗布する。
何か手だてを打てば、こうはならなかったのでは、
と思いました。
もちろん、これは借主側の善管注意義務違反。
当然、DKだけが汚かった訳ではありません。
カビの生えたクロスは全面貼替が必要となりました。
更に、クロスを貼りかえるだけではなく、
今後カビが生え無いようにカビ取り剤を塗るなど
大変な費用もかかりました。
借主に請求した金額もかなりになりました。
湿気は建物大敵。まずはカビを生やさない事
借主が負担すべきもの。
と言うのは、納得して頂けるとは思います。
でも、日頃窓も開けず簡単な清掃もしない。
布団も敷きっぱなし。
そんな方は、一定数います。
室内換気は、建物にはかなり大事なものです。
湿気は大敵です。
布団を敷きっぱなしだった方の部屋は
フローリングだったのに、
床にカビが生えて変色、剥がれなどがありました。
また、掃除機すらかけたことが無い。
トイレ掃除もしたことが無い。
という方もいます。
当然室内はかなり傷みます。
これらは、きちんと賃貸物件を管理していない。
という事になります。
その原状回復費用は借主負担になる可能性が大です。
退去時の費用を抑える為に日頃から清掃、換気をしておきましょう
皆さんが借主負担になるの?
と気にされるのは、ここまでひどい場合ではないと思います。
それでも、普通に掃除をする。
換気をする。
入居中に設備故障があれば、早めに連絡する。
これらは基本です。
掃除も換気もしない。
そんな借主さんは退去時に
負担金が発生するかも、と覚悟しておいた方が良いでしょう。
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