相続人はどうなるの? お子様のいない高齢夫婦の場合
お子様のいない高齢のご夫婦でした。ご出身は九州。今でもご親族の殆どはそちらにお住まいでした。
親族の中で一番近くにいるのは、ご主人のお兄さんのお子さん。近いと言っても電車で1時間半はかかる所に住んでいます。
ご夫婦 は 自宅と貸家を所有していましたが高齢になり、自分たちの生活すら大変になってきました。
そして、奥様は病院に入院、ご主人もヘルパーさんの手伝いが必要でした。
そこで、ここ数年はもっとも近くにいる甥御さんがご夫婦の面倒を見るようになってきました。
ご夫婦は、相次いで亡くなりました。 相続人を探します。
そうしているうちに ご主人は亡くなり、半年後には奥様も亡くなってしまいました。
ご夫婦は、自分たちには子供がいないので財産は国に行くんだね、と話をしていたそうです。
ところが、現実はそんな事は無いのです。遺言書を作っていたり、お元気なうちに血縁者と話をしていたりしていません。
財産は、もともとご主人名義でした。でも先にご主人が亡くなられています。結果奥様へ相続手続きはしていませんが、その時点でほぼ財産は奥様のものになるはずでした。
奥様が、ご主人より後に亡くなったので、奥様の財産は奥様の相続人に渡される事になります。
奥様には、九州に兄弟がいました。
でも、ご兄弟も既に高齢。亡くなられた方も多く、顔を見たことも無いほど疎遠の親戚を探す事になりました。
遺産分割の為、気の遠くなるような作業が
相続を得意としている司法書士の方にお願いをし、相続人を探してもらう事になりました。
遠方の為、戸籍などで追ってご連絡をしても、なかなか連絡は取れませんでした。
ご親族もお互いに余り知らない状態なので、教えて頂く事もできず大変苦労をして頂き、1年をかけて13人の相続すべき親族を探し出しました。
そして、遺産分割をすべくご夫婦の財産を調べる作業も大変。
更に、その財産の分割を納得して頂く為に一人ずつ説得をして頂きます。
亡くなった奥様の事も知らない方ばかりですが、突然遺産が入るとなると欲も出てきます。相続人の調停をする日々が続きました。
1年近くが経過しました。
相続人は、段々増えていきます。 それでも解決へ向けて!
ようやく、相続人全員に分割協議書への捺印を頂きました。
その間、売却しなくてはいけない不動産について、不動産関係の仕事をしているという相続人から、金額の根拠、自分で買ったほうが儲かるなど、色々な話も来ました。
この金額にすべき根拠を記載した書類を作成したり、現場の写真を撮ってお送りしたりと説明作業を行い何とかご納得頂きました。
でも、その間に更に相続人数人が亡くなってしまったのです。
すると、その相続人のお子様へと代襲相続が発生し、最終的には20人近い人数となりました。
銀行預金の相続、不動産の相続、売却、分配。全てがまとまったのは、ご主人が亡くなられてから、3年経過していました。
相続人が特定出来ただけでも、良かったのかもしれませんが
なかなか、大変な案件でした。
残された方への事を考えると、きちんと対策を考える必要があると実感します。
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