防犯カメラ。そのデータの取り扱いに問題が発生

防犯カメラが増えているこの頃。

防犯上やゴミの不法投棄防止の目的から
当社でも共同住宅に防犯カメラを設置することが増えました。

設置された防犯カメラは、警察からデータ提出を
求められる事がよくあります。

警察からの要望。
それには当然協力させて頂きます。

ところが、その防犯カメラのデータについて
最近困った事が増えてきました。

共同住宅だけではなく、当社でも
建物周辺に盗難防止、ゴミの不法投棄防止。
などの目的で数台防犯カメラを設置しています。
その防犯カメラの映像について
駅前である事や、隣に信用金庫があるなどの理由から
警察から映像の見せて欲しい。
という依頼が、かなり頻繁にきます。

先日などは、何と一日に２～3回も警察がやってきました。
それも、それぞれが違う事件の関係でした。
その度に警察の方が防犯カメラをチェックします。
それが翌日も続きました。

警察の方が社内に何時間もいられる。
という事で多少業務に差し支える事はありました。
でも、お役に立てるのであればもちろん協力します。
それは、市民の義務でもあると思うからです。

ところが、防犯カメラの映像が
一般の方からも要求される事が出てきたのです。

その中には、こんなケースもありました。

駅前まで自転車に乗って家からやってきた。
乗ってきた自転車は駐輪場に入れずその辺に置いていく。
そういう光景は駅前では良く見かけます。
だから、お店や銀行の前などに不法駐輪された自転車があります。
市役所も不法駐車された自転車を時として撤去します。

どうやら市に撤去されたらしい自転車の持ち主。
自転車が無いので、もしかしたら防犯カメラに映っているかもしれない。
と当社に防犯カメラの映像を見せてくれ、と言ってきたのです。
もちろん、それはお断りせざるを得ません。

別のケースでは、アパートの入居者からの要求でした。

部屋の前を通った人を確認したい。

とか、敷地内の通路に臭いがする。
その原因を調べたいというものでした。

通路の臭いは猫が原因かもしれません。
盗難にあった訳でもないのに、
誰が部屋の前を通ったのか知りたい。

など、本当に様々な理由です。

確かにカメラには、何かが映っているかもしれません。
映っていないかもしれません。

でも、一般の方からの余りにも安易な理由に答えられる訳はありません。

防犯カメラは確かに便利です。
でも、カメラの映像には個人情報が多く含まれています。

第三者からの開示請求には基本的に応じられません。

カメラに映っている映像を見せて欲しい。
と一般の方から要求されたとしても、それは出来ないのです。

プライバシー保護の観点からも
第三者へむやみに情報を提供したり、閲覧させることは出来ません。

法令に基づく場合や
裁判所からの令状、警察等からの照会。
など、きちんとした手続きや理由がなければ
開示は出来ないのです。

もし、盗難にあったとか、器物損壊の被害にあったのであれば
まずは、警察に届け出をして
警察から開示請求がされてからという事になります。

防犯カメラで確認があるのだから。
入居者だから見せてもらえるだろう。
という事は、決してありません。

情報の扱いは現在とても難しく注意しなければならない。
という事をご理解頂きたいと思います。