貸主・借主間の賃貸借契約。借主は貸主の許可無く他人に物件を貸せない
賃貸物件は、契約者が利用する
それが一般的です。
まれに、入居者が学生の為親が契約者になる場合もあります。
借りる予定の人が、学生ではなくても現在求職中の為収入が無い。
親には固定収入があるので契約者になってもらう。
そんな場合もあります。
ただし、それは居住用の賃貸契約の場合です。
事業用物件の場合には、また異なるケースがあります。
事業用物件であっても無断で転貸・譲渡は出来ません
事業用物件の般的な契約は、法人(会社)が
事務所や店として利用するために物件を借りる事は多いもの。
契約者と入居者が同じであり何も問題になりません。
法人が借りて店長を雇用したり、
法人の経営する別テナントが入居する。
それは、利用形態がはっきりしていれば(届け出がある)
問題にはなりません。
それが、法人化していない個人事業主が契約者であっても同じ。
でも、契約者が貸主に届け出なく契約者以外の第三者や
全く別の法人に物件を貸してしまう。
これは、転貸借契約となります。
転貸借は貸主に無断で行う事は禁止されています。
当初から転貸することが、決まっていて
その条件で契約している。
契約書には、その旨が明記されているのであれば、
もちろん問題になりません。
契約時点で転貸することが決まっていなかったとしても
その後、転貸することを文書で申し出
貸主が許可すれば問題はありません。
問題になるのは借主が無断で契約者以外に物件を貸してしまう。
と言う場合です
利用しているのは借主の従業員?確認はなかなか出来ません
賃貸借契約は、貸主と借主で締結されます。
契約書には、賃貸人の承諾を得なければその賃借権を譲渡したり
転貸してはならない、とはっきり記載されています。
でも、お店を営んでいるような事業用物件で
店長が誰かなど、誰が雇われているかなど
貸主は知りません。
もしかしたら、転貸しているのか譲渡しているのか
など、確かめたりしません。
ところが、問題が起きて初めて
転貸の事実が分かった事がありました。
借主の住所・連絡先が不明で連絡が取れない。でもお店は営業中
それは、あるお店を貸していた時です。
家賃滞納が重なり、督促しても改善されませんでした。
借主に連絡を取ろうとしますが
どうしても連絡が取れません。
借主は届け出された住所に住んでおらず、電話も通じません。
連帯保証人も同じ。
届け出の住所に住んでいないし、電話も通じず。
これではいくら督促状を出しても駄目なはずです。
でも、貸しているお店は営業しているのです。
そこで、お店をやっている人や、知人、友人などを調べ
ようやく契約上の借主と連絡が取れたのです。
借主が賃借権を勝手に売却?
貸主と借主は話合いを持つことになりました。
借主は友人にお店を手伝ってもらっている、と言います。
でも、調べてみると本人はそのお店で働いていません。
別の仕事をしています。
とは言っても、その勤務先も調べてみると見つかりません。
かなり怪しい申告ではあります。
借主が雇った従業員であれば問題はありません。
でも友人が店を手伝っているのではなかったのです。
何と、その友人?にお店の権利を譲っていたのです。
それも、勝手に賃借権及びお店の造作全て売却していたのです。
借主で無くなるのなら、契約そのものが違ってしまいます。
まったく、あきれてしまいました。
契約解除後も物件が明け渡しされない
かなか、ここまでひどいケースは余りありません。
権利を買ったという転借人にも事情を説明。
貸主側から契約を解除し、明渡を要求したのです。
権利を買ったという人からは、なかなか鍵を返却されませんでした。
ようやく、返却されたのは2カ所ある鍵の内1カ所のみ。
このままでは、また勝手に使われてしまうかもしれません。
だから受け取った鍵は、交換し利用できないようにしました。
室内に入るには、こちらに連絡を取らざるを得ないようにしたのです。
解約後も滞納賃料の支払
室内片付けなど、問題は多々残りました。
お金で権利を買った転借人も被害を受けたのかもしれません。
でも、それは借主とその転借人間の問題
とに角、貸主にとって解約が出来たのは
良かったと思いました。
自分が借りている物件でも何をしても良い訳ではない。
このような無断転貸借は
借主が賃貸借契約を軽く考えていたからかもしれません。
居住用物件でも、事業用物件でも
勝手に他人に貸す。
無断転貸や譲渡は契約違反なのです。
借りている物件は、どう使っても良い。
という事は絶対にありません。
お金さえ払えば、人に貸しても良いのでもありません。
転貸されているかどうか。
外からでは簡単にわかりません。
もし、それが発覚したら
早目に対処することが大事です。
貸主も、借主から頼まれたから
と安易に許可をしてしまうのも
要注意ですね。
後々、困る事が起きる事もあるかもしれませんから。
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