騒音が気になるからマンションを選ぶ。それって大丈夫?
これは賃貸住宅に限らず、分譲マンションであっても
上下階や隣室の音がうるさい、という苦情は絶えません。
賃貸物件を探される方においても、
最近はマンションが良い。
と指定される方が大変増えています。
なぜ、マンションを希望するのでしょうか。
理由をお聞きすると「音が気になるから」
と言う方が大半です。
正直言ってマンションは音が響かない。
そう、言い切れるものではありません。
マンション・アパートの違いは何?一般的には構造で分類されます
日本では、一般的にアパートとマンションは構造で分けられます。
大きく分けると
・木造・軽量鉄骨造の建物をアパート。
・重量鉄骨(S造)・鉄筋コンクリート(RC造)の建物をマンション。
のように分類されています。
この分類には法律による決まりなどが有るわけではありません。
ただ一般的に不動産ポータルサイトなどで、この区分けで分けられています。
それでも、鉄筋コンクリート造の建物で「〇〇アパート」
という名称だったり
木造の建物でも「〇〇マンション」
という名前がつけられていたとしたも、もちろん問題はありません。
でも、名称の問題でなければ、構造で分けられる事が殆どです。
イメージとして、アパートよりマンションの方がしっかりとしている。
と思われる方が多いようです。
でも、音の問題に関していえば、構造の違いだけでは解決できない。
と言っても言い過ぎではないと思います。
マンションでも界壁がコンクリートとは限らない
築年数だけが原因でなくても、
以外に上下階・さらには隣室の音が良く聞こえる。
という事もあります。
鉄筋コンクリートのマンションであっても、
やはり上下階や隣室の音が聞こえる。
という事もあります。
隣室との間の壁や上下の床の厚みや作りも
物件により違いがあります。
コンクリートの建物と言っても、
隣室との間の壁・界壁はコンクリートである。
必ずしもそうではないからです。
隣室との境(界壁)は柱(枠)を建てボードを貼る。
という仕上げの事もあります。
これは、木造アパートとほぼ同じです。
もちろん、隣室との境がコンクリートの壁である。
上下階の床もきちんと厚みを取っている。
というマンションも、当然有るわけです。
他の部屋との界壁(壁面)も上下階の床も
建築基準法にのっとた十分な厚みのあるコンクリート。
そのように作られている建物は、
遮音性を気にする方にはお勧めです。
でも、そのような建物は簡単に言えば
建築費がかかるます。
なので、賃料もそれなりに高い。
と思うのが正しいでしょう。
特に音を考慮して建てていないのであれば、間取りや隣室との接し方を考えましょう。
もともと、賃貸用のアパートの場合
普通に建てていても、特別な防音施工をしている。
隣室との境も特に防音を考慮している。
残念ながら、そういう施工はしていない事が普通です。
(だからと言って、粗雑なつくりという訳ではありませんが)
また、一般的に最近の建物より古い建物の方が
音に対しては少々無防備に作られているかもしれません。
マンションでも、賃貸用に建てられているもの。
築年数も少々古く賃料が安い。
という場合には、遮音性が高い。
と言えないことが残念ながら多いのです。
音を気にするのであれば、
隣室との関係、間取りを考えた方が効果があるかもしれません。
逆に、最近は木造であっても、かなり遮音性の高い物件もあります。
当初から防音に気を使って建てられている。
とか、隣室との間に階段スペースがある。
など、間取に工夫があるものも増えているからです。
増え続ける騒音問題?引っ越しを繰り返す人もいます。
昔から騒音問題がなかった訳ではありません。
でも、コロナ禍の間に在宅率が増加した。
とか、近隣とのつながりがあまりなく、
お互いに少々の事で文句を言いあう。
そんな風潮が増えている。
と確実に感じます。
エレベーター、オートロックのマンションでも
騒音が問題になっています。
音の問題でマンションを選ぶのであれば
価格や、間取りなど十分考慮したほうが良いでしょう。
人によっては、入居してから毎日のように「上がうるさい」など
クレームを出し続け、しまいに引っ越しを繰り返す。
というケースもありました。
マンション神話だけでは、解決しないようです。
賃貸物件の防音は完全ではありません。通常の生活音に対するクレームは対処が難しい。
騒音クレームも
「夜遅く友達を呼び大騒ぎをしている」
とか、「大きな音で夜中まで音楽を流す」
「遅くに洗濯や掃除をしている」
以前は、そのようなクレームが多かったのです。
この手のクレームは、明らかに入居者が悪い。
と注意することができます。
でも、通常の生活音に対するクレーム。
これは、大変難しい問題です。
「雨戸をあける音がうるさい」
「足音がうるさい」
「テレビの音がうるさい」
これも、程度によりますし、何も悪くないのでは?
と思うことも多々あります。
それも、隣の人がうるさい。と言われ、調べてみると
隣のひとではなく、更にその先や上下階に住人が原因だった。
という事もよくあります。
もともと、賃貸用のアパートの場合
普通に建てていても、特に上下に防音施工をしていたり
隣室との境も防音用に施工はしていないのが普通です。
これはマンションであっても、さほど変わりません。
一般的に最近の建物より古い建物の方が
音に対しては少々無防備だったかもしれません。
鉄筋コンクリートの建物も床、天井、隣室との壁
全てが鉄筋コンクリートで出来ている訳ではないのです。
逆に、木造であっても、防音に気を使って建てていたり
間取に工夫があれば、音が気にならない
という事もあります。
大家さんの中には、やまない騒音クレームに対し、
界壁に防音施工を施した。
という方もいます。
でも、誰もがそのような費用をかけられる訳ではないのです。
場合によっては、あまりにもクレームが多い入居者に
退去を促す、という事も必要です。
音が気になる場合、間取りや構造、賃料も考えましょう
騒音問題は一筋縄ではいきません。
正直音の感じ方は、人によって随分違います。
殆ど気にならない、という人もいれば、
ほんの少しの音でも許せない、という人もいます。
まず、音が気になるからマンション。
と簡単に考えても解決しないかもしれません。
音に敏感な方であれば建物の間取(特に隣室の境)、築年数。
などを考慮するのが良いと思います。
賃料が安い築年の経過したマンションであれば
新しい木造アパートの方が、音に強い。
という可能性は大きいと思います。
だから、お部屋を探すとき、マンションが良い。
ではなく、最も気になるのは「音」とはっきり伝えてください。
音問題をきちんと理解している不動産会社に相談する。
それも有効かもしれません。
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