増え続けるマンションの老朽化問題
日本中に老朽化したマンションが増え続けています。
分譲マンションが作り始められたのは、
1956年(昭和31年)が最初です。
マンションの歴史は既に半世紀を超えているわけです。
その頃はまだ建物の区分所有等に関する法律も制定されていませんでした。
法整備が進むより早いスピードで分譲マンションどんどん増加していったのです。
今では、日本中にたくさんのマンションがあります。
昔建てられたマンションは、既に老朽化が進んでいます。
でも、老朽化が進んでもなかなか建替えが進まない。
というのが現状なのです。
建て替えられたマンションはわずか。問題は山積み
分譲マンションの総ストック戸数は
2021年には約685.9万戸にもなったそうです。
この数は、国民の1割強が居住している。
という計算になります。
その中でも築年数が30年を超え、建替えを検討する必要がある。
そのようなマンションは、約4万棟にもなります。
それほどの数の中でも実際に建て替えが完了した。
(あるいは建て替え予定)
というマンションは2019年でもわずか278件なのです。
これから見ても、建替えがいかに難しいのか。
という事がわかるでしょう。
マンションの建替えを検討しようとすると、問題は山積みです。
簡単にできないマンションの建替え
マンションの老朽化は様々な問題を引き起こします。
古くなった分譲マンションは、空室率が高まり
管理費も滞り、管理機能が働かなくなったりします。
管理もされないマンションになり、
建物の維持もままらなくなり、
次第にゴーストタウンかしてしまう。
極端に思われるかもしれませんが、ゴーストマンションになる。
という可能性があるのです。
それでも、建替えが出来ない理由。
区分所有ならではの権利関係の複雑さがあります。
大勢の区分所有者の意思決定の難しさ。
それらは、簡単には解決できません。
多くの人の同意を得る、というのはかなり難しいからです。
マンション建替え要件が緩和?円滑化法創設
その問題を少しでも解消しよう。
という事からマンション建替円滑化法が創設されました。
この法律は、建て替えや取り壊す必要のあるマンションについて
特別措置やマンションの敷地売却をしやすくする。
それを目的としたものです。
その一つに今までマンションを建て替えようとする場合
所有者の5分の4の同意が必要でした。
それが、要件緩和として4分の3になりました。
また相続などで所在不明の区分所有者は
意思決定から除外できる。
などです。
また、この法律によってマンション建て替え賛成者で
「マンション建替え組合」が設立できるという事もできます。
この組合は法人化され以下のようなことができるようになります。
建替えに賛成しない区分所有者
その所有権を組合が買い取ったり
資金の借り入れもできたりします。
このように、ようやく老朽化したマンションへの
対策が多少始まったという事です。
まだまだハードルの高い老朽化した分譲マンション問題
それでも、老朽化したマンションの問題は
まだまだ解決には至っていません。
ニーズはどんどん増えてくると思います。
マンションの問題は、他人事ではなくなるかもしれません。
特にタワーマンションなど、
今人気のマンションも必ず古くなっていきます。
古くなると維持管理もかさむようになります。
これは、戸建てでもマンションでも、もっと言えば人間でも同じ。
将来のことは、なかなか考えられないものです。
でも、避けては通れない問題です。
将来のことを、考えておくことは必要だと思います。
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