貸室退去・通常通り解約できない部屋
昨年末から、何かと問題のある退去が続きました。
通常の退去の場合。
入居者から解約申出があり、1か月後位には引越しとなります。
卒業や転勤・結婚・住み替えなど理由は様々。
それでも、現住居の荷物を片づけ解約日までに明け渡。
というの退去までの流れです。
ところが、そのような手順通りにいかない退去。
そのような事例がこの数か月で何例かありました。
入居者と連絡が取れない。勤務先からの連絡に急遽駆け付ける
その中の1件の場合
入居者の勤務先から
「1週間も仕事に来ていないし、連絡が取れない」
という連絡がたのです。
入居者の状況確認の為、会社の方と一緒にアパートに同行。
声をかけて鍵を開けてみました。
すると、玄関先に入居者が倒れているのです。
呼びかけてみると、返事はあります。
その段階で、とりあえずホッとしました。
ただ、身体を起こすことができません。
まずは救急車を呼び病院へ搬送しました。
その後、独り暮らしは続けられないので
解約することになったのです。
幸い、会社契約であったため
会社と退去手続きを進める事になりました。
貸室はゴミ部屋。さらにタバコによるダメージ大
ところが、この部屋。
室内は大変なことになっていました。
いわゆるゴミ部屋?と言われる状態。
部屋一杯に積みあがったゴミ。
お風呂・トイレもゴミがあふれ
掃除をした事がないのでしょう。
更に、室内の壁には大きな穴が数か所。
エアコンも外側まで黒い埃が積もっています。
クローゼットもゴミが積まれている為ドアが開きません。
照明器具も外れ、インターフォンも壁から垂れ下がっている。
などなど。
すさまじい状況です。
ヘビースモーカーらしく、室内は壁天井、設備、建具まで
タバコのヤニと臭いが染み付いています。
入居者は、8年くらい入居していたでしょうか。
ですから、長期間の喫煙が続いていた事になります。
短期間でもタバコは問題になりますが
長期であると室内にかなりのダメージを与えるのです。
部屋中に染み付いたタバコとゴミの強烈な臭い。
室内にいるのは結構つらい物でした。
臭いと傷み。どうやって解消できる?特別な清掃も必要
とにかく、会社と解約手続きを進めました。
1か月後までに部屋中の荷物・ゴミの片付けは完了。
荷物片づけが終わった状態で、改めて室内を確認。
部屋中の臭いと傷み。
汚れは本当にひどいものでした。
キッチンは傷みと汚れがひどく交換が必要。
トイレとバスタブの汚れについては
通常のクリーニングでは、落ちません。
便器内は黄ばみを通り越し黒くなっています。
バスタブもほとんど清掃をしたことがない様子。
浴室内の壁すらタバコのヤニ汚れがしみついています。
穴の開いた壁の補修・クロス貼替・床張り替え、キッチン交換。
臭いについても、簡単な消臭では消えません。
この原状回復工事をどうするか、という事が問題になりました。
高額な原状回復工事は抑えたい。借主の責任負担は免れません。
お風呂とバスが一緒の3点ユニットバスの
それほど広くないワンルームです。
それほど、高い家賃が取れるわけでもありません。
本来であれば、ユニットバスの交換もしたいところ。
でもそれでは、費用がかかりすぎでしまいます。
何とか、費用を抑えきれいにしなければなりません。
クロスや床の貼替は必須です。
キッチンも交換。
ただ、圧倒的に費用のかかるユニットバス。
これは、何とか特殊清掃を行う業者にやってもらう事に。
通常の清掃より高額ですが、ユニットバスの交換より安くすみます。
オーナーにも現状を確認してもらい
精一杯費用を抑えながらも、きれいにすることを考えます。
ようやく、原状回復工事の方向が決まり
工事を開始する運びとなりました。
もちろん、このような場合借主側の責任も免れません。
ある程度の費用負担は請求することになります。
このような問題のある部屋。
最近よくあるのは、当社だけでしょうか。
借りていれば、家賃を払っていれば、
どんな住み方をしてもよいのでは決してありません。
借主は普通に清掃し、部屋を片付ける必要があります。
善良な管理者の注意義務というものがあるのです。
汚しっぱなし、カビだらけにする。
ゴミがあふれる。
これは、借主の責任問題となります。
入居期間の長短だけでは決められません。
借りているお部屋は、きちんと管理が必要です。
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