木造アパート上下階の騒音問題。誰が悪いの？

あるアパートで何年間も上下階で騒音トラブルがありました。

１階の入居者が変わって間もなく問題が起こり始めました。

古い木造アパートなので、上下階での音の問題は起こりがち。

明らかに夜中に大騒ぎしたり、子供が走り回るなど

あきらかに迷惑と思える場合は
上下共に注意して頂かなければなりません。

でも、このアパートの騒音問題はそのようなレベルの
問題とは言えないものでした。

上階の入居者は、数十年も住まれている高齢の方。

段々、お身体も不自由になってきました。

でも、元々は世話好きでお話好きの方、アパート内でのトラブルは無し。

それが、下の階の入居者が変わって以来
何度もうるさい、とクレームを言われるようになりました。

騒音と言うのは、確かに人によって随分感じ方が違うもの。

同じ音でも気になる人、気にならない人がいるでしょう。

でも、普通に暮らしているのに、うるさい、と言われてもどうしようもありません。

高齢の入居者を心配して、普段から近所の友人、身内の方がこられます。

来訪者がある度に「音がすごい！」と言われてしまうのです。

下の階の入居者からは、何度も何度も当社に苦情の電話がかかってくるのです。

下階の入居者には、どんな状態なのか聞いてみます。
上階の入居者にも、苦情が入る時の状況を聞き取りしてみます。

下階の方曰く
しょっちゅう大きな音がする。
わざとのように音をたてる。
独り暮らしなどではなく、一緒に住んでいる人がいる。
自分が移動すると、同じところに移動しつけまわいている。
冷蔵庫のドアの音もわざとたてる。

などなど。
冷静に考えても「それは無いのではないか」
と思うような内容です。
ましてや、なぜわざと嫌がらせをする必要があるのでしょう

それでも、古い木造アパートの事
神経質な方は気になって仕方がないのでしょう。

余りにもひどい事を言われているのですが
上階の入居者には
「少し気を付けてくださいね」
と伝えてみました。

すると、当社への電話以外にも
毎日毎日、下から天井を叩かれたり
「うるさい！」と怒鳴られたりしているそうなのです。
高齢の入居者なので、家にいる事も多いのです。
家事は自分でしています。
特に運動するわけでも、走ったりするわけでもありません。

でも、気になるのなら
と部屋には厚いカーペットを何枚も敷いていました。

室内のドアを開け閉めするときも極力そーっと閉めます。
実際にお部屋へ伺ってみた私も確認しました。

独り暮らしであることも、わかっています。

でも、その状況を下の階の方にいくら説明しても
全く納得して頂けませんでした。
上の階の方の肩を持っている！
と言われてしまうのです。

「自分ばかり悪者にして！」と
正直、どうしようもない状態でした。

階下の方も日中一人で家にいる事が多いので、いつも音が気になるようです。
日中の通常生活音は仕方がないのです。
でも、それも聞き入れません。

上階の方と顔を合わせてみれば
お互いに話をしてみれば、誤解も解けるのでは
と提案もしてみました。

上階の方は、お会いして仲良くなりたいと言っていたのですが
もちろん、それは無理な話でした。

階下の入居者は、更に自分の知り合いや、友達と称する人に頼み
当社にクレームの電話を何度も入れてきます。

当然階下の入居者の知り合いなのです。
一方的な話だけしか聞いていません。
ましてや、アパートに来た事すらない方たちです。
一方的におばあちゃんを責め、当社が何もしないと言ってきます。

そこで、今までの状況や経緯を客観的に説明しました。
そうすると、皆さん納得して本人にも話をします
と、電話をきられるのでした。

上階の入居者は、ドアをどんどん叩かれたり怒鳴られたり
天井を叩かれたり毎日のようにされているうち
ノイローゼのようになってしまったのです。

こうなってしまうと、どちらかが
部屋を移るか、引っ越すしか解決方法はないと思われます。

下の階の入居者には
２階の離れた部屋が空いた時に
移るように勧めてみました。

上階の方は、引っ越したいと思ったこともありましたが
高齢の為、新しい住まいを探す事も困難。
身体も不自由で、目も悪くなっているので
慣れた部屋以外での生活は難しいのです。

だから、下の階の入居者に移動して頂くしかないのです。
でも、すべて拒否されてしまいました。

仕方なく、更新契約時に更新契約をしないと伝えましたが
今後はトラブルを起こさないと言って
契約をしたのです。

でも当然改善される訳はありませんでした。

階下の方はどんどん嫌がらせがエスカレートしていきます。

これ以上はお互いの為になりません。

退去をお願いする事にしました。

もちろん、一方的に階下の方だけが悪いのではないかもしれません。

ですが、この建物ではこれ以上どうしようもありません。

上階の方が引っ越すことが不可能なことも説明。
さんざ抵抗されましたが、ようやく引っ越して頂く事ができました。

もちろん、気持ちよく引っ越された訳ではありません。

でも、この建物でどうしても我慢できないのであれば
仕方がありません。

このようなトラブルは双方共に精神的につらい思いをします。

古い木造アパート
更には木造でなくても音の問題は本当に多いものです。

入居した場合、最低限夜間の掃除機、洗濯機
友人の集まりなどには注意することを心掛ける。

大きな問題にもなりかねない騒音問題。

お互いに上下階、隣室間の気遣いも必要であると思います。