連棟式タウンハウスの問題点 ②
以前はおしゃれな分譲物件として建てられた連棟式タウンハウス。
それが、築数十年を経て色々な問題が出てきているケースがあります。
一戸ずつは、別々の建物として認識されますが、やはり連なったものです。
お隣とは壁で仕切られ、屋上や外壁はつながっています。
大規模な修繕、外壁塗装、防水工事、配管工事等々は一緒に行う必要があるのです。
建物全体の補修ができない。雨漏りも止まらない。
連棟式と言っても、10戸くらい繋がっているものもあれば、3戸程度の小規模なものまで様々です。
でも、概ね30年から40年程度経過してきている建物が多くなりました。
そうすると、その間には何度か修繕をしていなければなりません。マンションと同じように所有者間で管理をするシステムができていて、修繕用にお金を積み立てていればスムーズに修繕が実施できます。
ですが、そのようなシステムもお金もない建物の場合。雨漏りが発生するなど目に見える傷みがあった場合、対処するのはとても大変です。
大量にタウンハウスが建てられた時代、売れればよいという売主が多かったのか、そんな事は考えられていませんでした。
実際、そんなタウンハウスの1件で、かなりの雨漏りがありました。
隣の所有者から、雨漏りについて何とか工事を行いたいので協力して欲しいとの連絡がありました。もちろん、それについて所有者の方は協力をおしむつもりはありません。
長い間、何もしていなかった建物は屋上や外壁から雨が入り込み、天井から雨漏りしていました。塗装、防水工事を全体で行わなければなりませんが、1件あたりの費用は50万円くらいかかりそうでした。
でも、工事を行わなければ雨漏りは止まりませんし、建物も維持できなくなります。
所有者間の話し合いもまとまらない。これからの問題
わずか3戸のタウンハウスです。
工事に同意した2件は、いずれも賃貸に出していました。
入居者にご迷惑はかけられません。
3戸しかないので、まとまれば早いです。ですが3戸であるが故に1戸ずつの負担金が大きくなります。
そして、残りの1戸の方の同意がどうしても得られませんでした。
理由は、費用が負担できないから。その建物を昔購入し、そのまま住んでいらっしゃいました。そうしている内に、建物と一緒に年もとられ今はその修理費用を支払う余力がなくなっていました。
共有の部分でも勝手に、行うことも出来ません。出せないものは、出せない。そういわれれば、何も出来ません。ローンを借りる、一旦他の所有者が費用を立て替える。
提案は通りませんでした。
雨漏りは止まらず、借りていたかも数年後には退居されていきました。
現在、2件は空いたまま。売却して頂くなど、今後可能性をさぐっていく必要があります。少しずつ、解決へ向けて地道な話し合いをしていくようです。
たった、3件でも意見がまとまらない事があります。ましてや、10戸もあるような連棟式では、尚更大変だと思います。
自分の部分だけ壊す、と言っても隣との壁は共同です。
その部分を壊し壁を作り直されたケースもありますが、構造的な問題もでてきそうです。
これから、向き合わなければならない問題のある建物です。
関連した記事を読む
- 2024/11/01
- 2024/10/29
- 2024/10/28
- 2024/10/27