賃貸借契約解除後も明け渡さない賃借人
数年間にわたり、家賃滞納を繰り返し続けていた入居者。本人や連帯保証人への督促、更には通告を繰り返していました。
一度は溜まった賃料を連帯保証人が支払ったこともありました。
でも、それ以降また滞納が始まります。
数万円の家賃なのに、時々3000円や5000円なんて支払もします。
督促から、期限までに支払わない場合は解約します、という催告を内容証明で送りました。
それでも、期限になっても支払どころか、一向に連絡もしてきませんでした。
そこで、昨年末には遂に契約解除となったのです。
明け渡し期限が来ても、動じない入居者。
明け渡しの期限までに立ち退く必要があります。
ところが
その入居者は、明け渡し期限近くなって当社にやってきたのです。
そして「来月になったらお金が入るので一部支払います。それから、少しずつ払います」
と平然と言ってきました。
これには、びっくりです。その方にとっては、催告も解除通知も家賃を払いなさい、という督促と同じだったのです。
本当は、もっと早くに解約されていてもおかしくありません。定年になってしまい、働いてはいても収入も減っている筈。大丈夫、払います、払えます、と言い続けるその方に
実は、何度も段々年を重ねるともっと支払できなくなるし、家賃の安いところに移るとか今後について考え直したほうが良い、とまでお話していたのです。
でも、今回はさすがにあきれてしまい、契約は解除されているので明け渡してもらわなければならない、という事を説明しました。
それでも、この事態を一向に理解しようとしない入居者は「更新します」なんて言うのです。
更に今月中に明け渡しですよ、と言うと
「急にそんな事を言われても困る!突然すぎる」
と逆切れです。数か月にわたる催告から解除までの期間もあったこと。
更には、何年も前から続いている滞納状況、催告。突然などではありません。
昨年に送った解除通知も年末年始もあるので1月末を明け渡し期限としてありました。
それを、説明しても、急すぎる、突然すぎるの一点張り。
もう少し、期間を延長してほしい、と言うわけでもなく明け渡しを請求する当社に文句を言いながら帰っていきました。
結局、法的な手段で明け渡しを請求
それ以降、入居者は大家さんのところに行って「出ていけない、」など言われたそうです。
もともと、大家さんの自主管理物件ではありますが、高齢の大家さんに頼んでも難しい話です。
その後、相変わらず家賃は少ししか払われず退去もしない状態が続きました。
いくら契約を解除しても明け渡しをしてくれない入居者を追い出すことができません。
荷物を出す、とか鍵を交換するなどすると、逆に貸主側が罪に問われることになります。
結局、貸主は法的な手段をとることにしました。
明け渡しを求めて訴えを提起、明け渡しの判決を得て強制執行手続きをとることになります。
借主も、引っ越す費用などがなかったのかもしれませんが、ずるずると、住み続けてもますます支払いも生活もできなくなります。
早くに連帯保証人へ相談するなど、これからの事を考えていく必要があったのではないかと思います。
法的措置はまだ先になります。貸主にとっても費用もかかるし、大変なことです。
あまりこじれない内に解決できることを願っています。
関連した記事を読む
- 2024/12/05
- 2024/12/02
- 2024/12/01
- 2024/11/29