中古住宅の売買。インスペクションが注目されています。
中古住宅市場で、最近盛んにインスペクションを行っています。
という言葉をよく聞きます。
インスペクションとは、住宅の場合は一般的に中古住宅の建物状況調査・検査の事をいいます。
不動産売買の際、中古(既存)住宅を安心して売買するために有効であるとされています。
確かに中古住宅の場合、外から見ただけでは建物の状況がわかりません。
そこで、建築士などの専門家に検査してもらうと、安心です。
でも、インスペクションを行っているから
これで安心?
必ずしも、そうとは言えません。
インスペクションは基本的に目視中心
今は、売主側で専門業者に頼んで、ホームインスペクションを行う事が多いようです。
また、買主側が費用を負担するから、やってほしいという場合もあります。
そして、資格をもつ建築士が建物を検査していきます。
その価格は、1件あたり5万から7万円程度です。
思ったより安い?
そう思われる方も多いでしょう。
なぜなら、その検査は【目視】が基本です。
もちろん、白蟻の被害がないかとか、建物が傾いていないかなどは、目視でも確認できることが多いと思います。
ただ、あくまでも目で見る事なので、壁の中や隠れたところはわかりにくいのも事実です。
屋根にも、足場を組んでのぼるわけではないので、
あくまでも、瓦が割れているかなどの程度の確認になります。
それでも、購入する側からすれば、何もわからないより安心である事は確かです。
インスペクションだけでは、わからない事もたくさんあります。
ただ、インスペクションしてあるから大丈夫。
とは 一概に言えないのです。
中古住宅なので、経年の劣化や損耗(いたみ)はあって当然でもあります。
また、前の所有者がまめにメンテナンスをしたり、きれいに使用しているのであれば
大変状態の良い物件もあります。
ですが、10年以上経っていても一度も外壁塗装や屋根の補修もしたことがない。
あまり、きちんと維持管理されていない中古住宅の場合、思いのほか傷んでいることもあります。
そんな場合、目視中心のインスペクションだけではわからない欠陥もあります。
先日購入して頂いた中古物件では
・屋根瓦が1か所破損しています。
との報告がありました。
塗装もしていないので併せて屋根も見てもらいました。
そうすると、屋根の状態がかなり悪かったのです。
上に昇ってみると、屋根が沈みこみ、瓦は割れてしまいそうです。
そんな状態でした。
中古住宅は、所有者によって状態が大きく異なります。それを理解した上での売買をおすすめします。
購入した家は
売主さんは、あまり手をかけていませんでした。
10年以上経っていますが、防水工事、塗装工事なども
一度もしたことがありません。
それも、かなり外壁などの傷みが気になる状態でもありました。
でも、買主さんはそれは承知していたので、
引越しの前に外壁も塗装。内装も、クロスなど全て貼り替えよう
そんなつもりでした。
屋根も一部が割れているのなら、補修しよう!
ところが、実際に業者に入ってもらったところ思いのほか傷みがひどいのです。
インスペクション済みという事でしたので、
現時点では雨漏りも白蟻の被害もありませんでした。
ですが、屋根の傷みは予想以上。
室内の壁の傷みも予想以上。
結局、屋根は葺き替えなくてはならなくなりました。
改修工事もある程度予想はしていたのですが
予想を超える傷みで、出費もかさみそうです。
中古住宅の場合、その状態は家によって大きく異なります。
それも併せての購入金額にもなるとも思います。
インスペクション済みなので、必ずしも建物が安心とは言えない。
そんなケースでした。
関連した記事を読む
- 2024/11/25
- 2024/11/20
- 2024/11/19
- 2024/11/18