入居して1年未満。でも次のお部屋を探さなければならない。
お部屋を探しにこられたお客様。
2階がいいなどのこだわりはありますか。とお伺いしました。すると、「2階がいいと言うのは何でなんですか」と逆に質問されました。2階のメリットとしては、一般的に安心、上の音が気にならない、陽当りが良いといわれることが多いようです。
現実的には、2階であるから安全である、とは言えないと思います、とお答えしました。実際に、3階であるからと窓を開け放しで寝ていたら、ベランダから侵入されたなども聞く話ですから。色々、お話をするうちに、お部屋探しをしようと思われた原因を話し出されました。
今のお部屋には、まだ1年しか住んでいないそうなのです。
礼金敷金もなかったので、本当は早く出たいと思ったのですが、1年未満の退居では違約金がとられるから我慢していたとおっしゃいます。
その原因は、ひどい雨漏り
原因は、何と雨漏りだそうです。
そこから、随分我慢していらしたのか、怒涛のようにお話がはじまり止りません。
入居してしばらくした頃からキッチンの換気扇フードのあたりからポタポタと水が落ちてくるようになったそうです。換気扇のあたりとお聞きしたので、始めはプロペラ型の換気扇の外との排気口から吹き込む雨のせいかと思いました。
横なぐりの雨の場合、吹き込んでくることがたまにあるからです。
ところが、換気扇からではなく、流しの上のあるカバーからどうやら垂れてくるようです。
そして、見てください、と漏っているところの動画を渡されました。
それを見ると、1から2秒くらいの間隔でポタポタと滴り落ちています。
そして、床の上には一面にバケツとタオルが置かれていました。
バケツは、一杯になっています。
これは、ひどい、と驚きました。
大家さんは、逆ギレ?
そのアパートは、比較的高齢の大家さんが近くに住んでいて、お家賃も毎月持参しなければならないそうです。
ですから、当然その雨漏りについて随分前から連絡していたのです。
ところが、「いつもじゃないでしょ」とか、大したこと無い、と何もしてくれないのです。大家さんは、法人化していますが自分で管理しているのです。ですから、管理会社と言っても大家さんとイコール。
そこで、困ったお客様は仲介した大手のE社に相談しました。仲介会社は、長年お取引をしているが、そんな事はおきた事がないと言われます。
色々な人に話しをしても、皆聞いてくれなかったそうです。
でも、これはあきらかに雨漏りです。それも結構ひどいようです。
湿気で部屋のクロスは浮き上がり、床もふくらんできているそうです。
お話を聞いていると、もちろんお客様が悪い訳はなくお気の毒になりました。
お家賃を持っていくと、ドアを閉めようとした瞬間に大家さんの舌打ちまで聞こえてきたそうです。
お部屋の紹介もそっちのけで、お客様の不平不満は続きました。
入居者が泣き寝入りするなんて。
結局、解約するしかないとお部屋探しを始められたそうです。
入居時も初期費用が安いからと、古いけれどきれいにリフォームしてあったので決めたお部屋。
1年で移るのは、金銭的にも大変厳しいようです。
クリーニング費用は契約時に払ってあるけれど、こんな調子では部屋を傷めたと余分に原状回復費用を請求されるのではないか。
お客様は心配されています。
でも、動画や写真を見る限り、お客様の過失ではないようです。
雨漏りは、言い逃れのできない過失と言ってもいいことです。
わざとでは、もちろん無いですが、入居者から連絡されたにも関わらず何も手を打たない。嫌な顔をする、などとんでもない事です。
もし、退居にあたってお金を請求されるような事があった場合は、東京都などに不動産相談を受け付けてくれるところがあります。
話を聞いてくれなかった場合などは、そういう期間に仲裁を頼むのも一つの手ですよ
とお教えしました。
東京都都市整備局 相談窓口 (賃貸住宅に関する相談)
03-5320-4958
こんなケースは、あきらかに借主が気の毒であり、また余計な費用がかかるので
相談してみるのも良いかもしれません。
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