古くなってきた賃貸物件 ②
バブル期の大量に建てられた賃貸物件。
信じられない程の高値で売り買いされました。その状況は皆様もご存知の通りです。
バブルがはじけると、大きな企業でも不良資産を大量にかかえたり、倒産したりしました。個人でも、たくさんの方がアパート、マンションを建てたり購入したりしていました。そして、時間が経つにつれ所有している賃貸物件には問題が出てきました。
高値で買ったアパートも段々古くなり、最近のハウスメーカーの建てる新築物件がどんどん市場に出回っています。取り残された形の古いアパートは、アパートと共に大家さんも高齢になります。
一軒のワンルームアパートは、今年に入り8室中の4室が退居になりました。なかなか直すのも費用がかかり、簡単には満室になりません。
そこで、大家さんが来店され話し合いました。
大家さんがいなくなったら、空室も増えてしまった
このアパートの元々の大家さんは、高齢になり数年前から介護施設に入居されていました。
介護施設は、月々結構な費用がかかります。アパートの賃料収入が入居費用に当てられる、とお嬢様が言われていました。それもあり頑張って募集をし、幸いにもその施設に入居中、アパートはほぼ満室の状態が続きました。
洗濯機も置けず、小さなロフト付ワンルームなので、それ程高いお家賃は取れませんでしたが、施設の費用はまかなえました。
そして、遂に大家さんは亡くなられました。
すると、それを見たように退居が続き遂には半分が空いてしまいました。
最初は、傷みのひどいお部屋以外はクリーニングと少々の直しで募集していました。
ところが、最後に退居された部屋では、長期間入居されていた事もあり、退居後の部屋の傷みと汚れは、かなりひどいものでした。改修費用はかなりかかりそうです。
ただし、多額の修理費用をかけたとして、それ程の家賃は期待できません。
一部屋の修理費用を回収するのだけでも3年はかかると思われます。
更にやはり、外回りも手を入れる時期になっています。
それだけの費用をかける必要があるのか、という話になりました。
アパートの存続は難しい。
もちろん、大々的にリノベーションをするという方法もありますが、あまり適さない物件に思えます。
それに、相続されたお嬢さんも定年を迎えられ、この先アパートを維持していっても大変なだけで意味がありません。
幸い、この賃料がなくても何ら生活に支障はないし逆に楽になるようです。
購入時には一億もした、このアパートも今ではいくらになる事か。
この先、人気の無いこのタイプのアパート。解体しよう、というお話になりました。
そのためには、入居者の方に退居して頂く必要があります。
立退き問題は、続いていきます。
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